2011-04-14

WordCamp Fukuoka 2011に参加してきました

2月19日に九州産業大学で行なわれた WordCamp Fukuoka 2011に参加してきました。
だいぶ遅くなりましたが、簡単にレポを。

アンカンファレンス

まずは午前中に行なわれたアンカンファレンス。
聞き慣れないし、難しそうだとパスしていましたが、飛び入りで参加してきました。
座談会と違い、サイトやスライドを使って発表する人もいたり。

僕がいた教室は、テーマについてというテーマで、コミュニティコムの星野さんが司会をされていました。
子テーマや3.0からのデフォルトテーマ Twenty Ten についてそれぞれが思うこと、それらを利用したテーマと自作テーマとの違い、それぞれのメリット、デメリットなどを自由に話し合いました。
途中からゆりこさんが Ktai style の解説をしてくれました。

アンカンファレンスの後は開会式

開会式はこんな映像からスタート。かっこよくてびっくりしました。

「パブリッシングツール WordPress のこれから」マクラケン直子さん

続いてマクラケン直子さんが「パブリッシングツール WordPress のこれから」というタイトルでのセッション。
WordPress のダウンロード数、プラグインやテーマの公式ディレクトリへの登録数、様々な導入事例紹介などが紹介されました。

昨年世界で開催された WordCamp は全部で156回だそうです。
毎週のように世界各地で WordPress のお祭りが行なわれているようなペース。
ユーザーに愛されているツールなんだなと改めて思いました。

また、公式キャラクターの発表も行なわれました。
今後名前の公募が行なわれるとのことです。

WordPress | 日本語 » WordPress 日本公式キャラクターが登場

先着200名がもらえたマグカップは無事ゲットしたのですが、こちらにも公式キャラクターが。

「Anthologize で電子書籍を作ろう」三好隆之さん

Contact Form 7で有名な三好さんのセッション。
アメリカの George Mason 大学の One Week | One Tool という企画から生まれた Anthologize という WordPress プラグインを使って、EPUB 形式の電子書籍を作ってみようという内容でした。
EPUB は Electronic PUBlication を略したものみたいです(参考: EPUB – Wikipedia

Anthologize は現在0.5-alpha バージョンで、WordPress 3.0以降対応のプラグイン。
今回は EPUB で出力していましたが、PDF、TEIという形式でも出力できるようです。

Contact Form 7のサイトにはマニュアルがとても丁寧に書かれており、全部で40ページくらいあります。

Docs | Contact Form 7

マニュアルを手元に置いておきたい方用に電子書籍として配布する際に、PDF でもいいけど EPUB でやってみるのもおもしろいのでは?ということでライブデモが行なわれました。

使い方は以下のとおり

  1. 管理画面に追加される Anthlogize メニューから新規プロジェクトを作成
  2. 作成したプロジェクトを開き、好きなように章を作成
  3. 投稿や固定ページをドラッグアンドドロップで章に追加
  4. 著作権情報などを入れることもできるので、必要に応じて入れる
  5. プロジェクトをエクスポート

これだけで簡単に電子書籍が作れると思いきや、日本語部分が文字化けをしてしまうようです。
まだアルファ版なので、今後のバージョンアップでの対応に期待したいです。

「WP Object Cache使いましょう!」ネッド(Ned)さん

正直ちんぷんかんぷんでした…。

データベースへの問い合わせ結果をメモリ内にキャッシュさせておくことで、データベースへのアクセス回数を減らし、サイトの表示を高速化させる技術みたいです。

WP Object Cache を利用するにはサーバーに memcached がインストールされている必要があります。

このサイトで利用しているヘテムルでは memcached はインストールされていないようです。というかインストールされているレンタルサーバーが発見できませんでした。VPS や専用サーバーなら入れられるのかな。

以下は、memcached がインストールされていないと利用できない話。

まずは、Memcached Object Cache プラグインをインストールし、object-cache.php をプラグインディレクトリから wp-content ディレクトリに移動すると WP Object Cache が Memcached に接続可能になる。

WordPress › Memcached Object Cache « WordPress Plugins

発表に使用していたページが公開されており、Ned さんのおすすめプラグインなどの情報も書いてあります。
興味のある方はじっくり読んでみてください(英語です)。
WordCamp Fukuoka 2011 | 1080d ( http://1080d.com/wordcamp-fukuoka-2011/ )

「WordPressのプラグインを公開してみて -確認画面付きの問い合わせフォームプラグイン作りました-」堀家隆宏さん

WordPress でお問い合わせフォームといえば Contact Form 7と言っても過言ではないと思いますが、新たなフォームプラグインがお目見え。
昨年の10月に最初のバージョンが公開されたばかりのプラグインで、Contact Form 7との一番大きな違いは確認画面があること

inquiry-form-creator | WordPressの確認画面付きのお問い合わせフォームが作れるプラグイン
追記: 開発終了

このプラグインを作った動機は、WordPress のフォームプラグインで、確認画面とデータベースを同時にサポートしているものがなかったから。

inquiry-form-creator の特徴として、以下の3つが挙げられます。

今後のバージョンアップで、レイアウトの自由度を拡張予定とのことです。

管理画面で内容を確認できるのは便利ですね。
案件によっては Contact Form 7よりも inquiry-form-creator のほうが向いてることもあると思います。

「WordPressテーマのつくりかた -WordCamp Fukuoka 2011の場合-」山口有由希さん

Fireworksマニアなどのサイトを運営されている山口さんのセッション。
WordPress 初心者、プログラムが分からない方にも分かるようにと、とても丁寧にお話されていたのが印象的でした。

テーマ作成を効率良く行なうために

このフォルダーをテーマディレクトリに移動する。

テーマとして実際に使えるようにする

のような作業を行なうと WordPress の管理画面からテーマを有効化できるようになるが、このままだと効率が悪いの、パーツごとに切り分けたり、ページの用途ごとにテンプレートを作成。

その他に、アイキャッチ画像、おすすめのプラグインなどの紹介がありました。

セッションで使用したスライド、資料は山口さんのブログで公開されています。
WordCamp Fukuoka2011 WordPressテーマの作り方発表資料など

「電子書籍「魔法のぼうし」の制作について~ブクログのパブーでかんたん出版~」kanac さん

電子書籍の作成、販売ができるサービスのパブーを利用し、魔法のぼうし – kanac | ブクログのパブーを製作されている kanac さんのセッション。
ご自身のサイト(RAABEE)では WordPress を利用しているようですが、今回は WordPress の話ではなく、今回のテーマ「Publish」ならではの内容だったかなと思います。

セッションで使用されたスライドもパブーで公開されています。
WordCamp Fukuoka 2011 スライド資料 – kanac | ブクログのパブー

「作品を発表したい」とサイトで公開してたものの、他の手段を考えていたときにパブーに出会い、利用するようになった。

などのメリットがあったそうです。
また、曜日を決めて定期的に更新する、コマ割り、画像サイズなどを心がけているそうです。

普段は会社に勤務しているので、制作はその合間を縫って行なう。
平日は出勤前〜出勤中と帰宅後、休日は空いた時間が制作の時間。

魔法のぼうしを続けるために気を付けているのは、「無理をしない」と「結末を決めない」こと。

「はじめてのWordPressプラグイン翻訳」安部大輔さん

初めて WordPress プラグインを翻訳した際に感じたことなどをお話してくれました。
安部さんが挑戦したのは、My Calendar というイベントカレンダー表示プラグイン。

当初は Poedit だけを使用しての単純翻訳をしていたけど、途中から実際に動作してる様子を見ながら適切な翻訳をするように変更。
こうして試してみたところ、プラグインのバグを発見したそうです。

失敗談を交えながらのセッションで、単純に聞いているだけでも面白かったです。
僕も何か翻訳してみたいなと思える内容でした。

セッションで使用したスライドは安部さんのブログで公開されています。
WordCamp福岡2011発表資料 #wcfukuoka

「WordPressで簡単にPodcast配信:聞くスペイン語のやり方」アレ・クレマデスさん

スペイン出身、福岡在住のアレさんは、「聞くスペイン語」というスペイン語会話のポッドキャストをやっています。

日本語を勉強するスペイン語圏の方向けの「聞く日本語」は YouYube のアクセスが多く、スペイン語を勉強する日本人向けの「聞くスペイン語」は iTunes のアクセスが多いということです。

現在日本では、iPod や iPhone、iPad などが広く使われていることもあり、iTunes がインストールされている確率が高いことが大きな理由のようです。
ということで、日本人向けのポッドキャストをする際には iTunes で配信できるようにすることがアクセスをアップさせる秘訣になりそう。

動画の変換に使用しているのは、Mac App Store から無料でダウンロードできる Miro Video Converter というアプリ。
アプリに動画をドロップするだけで様々な形式に変換してくれます。

blip.tv というポッドキャスト専用のホスティングサービスもあるそうです。
こちらは全部英語のサイトなので、最初はちょっとハードルが高いかもしれませんね。

WordPress の RSS は、そのままだと iTunes 対応にはならないので、Google Feedburner を途中にかませる必要が。
Feedburner のスマート・キャスト機能でというものを使用し、正しいエンクロージャーを設定すれば iTunes にちゃんと受け付けてもらえるようになるそうです。

「WordPantsが出来上がるまで -お手軽電子書籍の作り方 -」megane9988さん

国内初の WordPress 専門電子書籍 WordPants の簡単な紹介の後、実際にページを作る際に行なっているソフトや工夫が紹介されました。

作成には Keynote を使っているそうです。
Keynote を使用する理由は、簡単にキレイなものが作れるから、と単純明快な答え。
僕のマシンにも Keynote は入っているんですが、ほぼ閲覧用で、ちゃんと使ったことないなぁ。

その他、PDF の書き出し時に iPhone でもダウンロードしやすい容量に抑えられるように気を付けているそうです。
ちょっとした気遣いが嬉しいですね。

ライトニングトーク

banjo さん

ライトニングトークでデビューを飾っため組の Banjo さん。
め組がコピーレフトで配布している WordPress のユーザーマニュアルの紹介と、編集に参加しませんか?というお誘い。

WordPress マニュアルは入門編、詳細編が配布されています。

増岡&筒井@WordBench香川さん

フックとコールバックについてのライトニングトーク。
いろいろネタを仕込んでいたようですが、席が後ろのほうだったので全然見えなかった&時間切れで終了。
お二人の掛け合いは何とも言えない雰囲気で面白かったです。

加藤芳威さん

WordPress のデフォルトエディターの TinyMCE についてのライトニングトーク。
あまり使う機会が無いと思っていた Word ファイルからの貼りつけなどの紹介と TinyMCE の拡張用プラグイン TinyMCE Advanced の紹介。

福地庸吉さん

70歳のプログラマー福地さん。おそらく今回の参加者の最年長ではないかと思います。
昨年行なわれた WordCamp Fukuoka で WordPress に出会い、自身のサイトを WordPress で作ったという経緯など。

カイ士伝さん

カイさんのブログ更新テクニック。

  1. 使う写真を先に入れ、その画像に対して文章を書く
  2. 冒頭に記事のまとめとなる文章
  3. 最後にタイトルをつける

記事の書き方もさることながら、ライトニングトーク自体も面白かったです。
ゲームやアニメに詳しい方ならより面白い内容だったそうです(アニメ、ゲームに疎くて分からないネタもありました)。

懇親会

ということで本編が終了したら懇親会。

WordPress の話もちょっとしましたが、サッカーの話やお酒の話などで盛り上がりました。
今回出会った福岡の方々とは Twitter などで今後も交流を続け、次回福岡に行った際にいろいろ案内してもらおうと密かに計画してます。ぜひ。

昨年は横浜と名古屋で行なわれた WordCamp に参加しましたが、今回の福岡はどちらとも違う雰囲気でした。
同じ WordCamp というイベントでも、スタッフや地域が変わるだけでこんなに変わるのかと思いました。
※どれが優れてるということではないです。

関東からは結構距離が離れているので移動がちょっと大変ですが、またぜひ参加したいなと思います。